――本当にそばにいていいのだろうか


           僕たちにとって君はいつでも光だった――




Len Tsukimori


Aoi Kaji






















































月森 蓮

香穂子、君と出会えたから、俺は変わることができたんだ。
俺には今まで音楽しかなかった。それでいいと思っていた。
だが、君という存在が光となって俺に変化を与えた。
正直、初めて君という存在を知った時は、「なぜコンクール参加者に普通科の君が」と思っていた。
ヴァイオリンの知識もなく、ずいぶんひどいことを言ってしまったこともあっただろう。
俺はそういうことが上手く伝えられる人間じゃないから。
それでも、君は落ち込むどころか、俺に教えてくれ、と―
驚いた。君のようにまっすぐであんなにも楽しそうにヴァイオリンを弾く人物には会ったことがなかったから。
気付いた時にはもう、俺の中で君という存在は失えないものになっていたのだと思う。

君に届けたい、君の音を聞きたい。君と奏でたい。

重症だな。思えばずっと君のことばかり考えていた。
君が何故こんな俺を選んでくれたのかは分からない。
俺でいいのか、他にもっと君を楽しませてくれる男がいるんじゃないか。
そう考えないことはない。それでも……



「香穂子、君がいなければ俺はヴァイオリンを歌わせるということができなかっただろう。
音楽以外で失くしたくないのは、君だけだ。
だからどうか、これからも…その………そばにいてほしい」




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加地 葵

香穂さん、君はきっと知らないよね。
僕はいつも不安なんだ。あの日あの公園で君の音に出会って、僕の人生は君のものになったんだ。
香穂さんは僕の世界に色を与えてくれる。
香穂さんは大げさだって言うけど、そんなことは無いよ。
君の音に出会って、初めて諦めたくないって思ったんだ。
近くにいられるだけでいいって最初は思っていたんだけど、駄目だね。
どんどん欲張りになっていっちゃって、君が一緒に奏でようと言ってくれた時は、天にも昇る気持ちだったけど、
同時にいいのかなって思ってしまったんだ。
だって、君の周りには音楽的にすごい人が多いじゃない?僕なんかより、きっと君のためになる。
でも、笑って僕を受け入れてくれるから、僕はそれが心地良すぎて、ついつい甘えちゃうんだ。
もちろん香穂さんの音だけじゃない。君自身のことが大好きで、もう香穂さんがいなくなってしまったら、僕は存在する意味がない。
僕は音楽のことに関しては、一緒に並べないかもしれない。
他の人の方が君の将来につながるかもしれない。でも…



「僕の持てるすべてで、君の音、笑顔を守るから。
どうか、どうかそばにいさせて」






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